不適切な会計処理をしたその背景は?

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不適切な会計処理をしたその背景は?

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2019/06/13 不適切な会計処理をしたその背景は?

6月7日付で、東証一部上場上場の 電気興業株式会社が、不適切な会計処理に関する調査結果について、を発表しました。

 

電気通信と高周波の二つの部門で構成されている社歴の古い会社ですが、電気通信部門(無線設備、アンテナ、鉄塔、局舎の製作、建設、メンテナンス)で不適切な会計が生じたのでした。

 

不適切な会計とは、言い換えれば粉飾処理ということです。

 

どのような方法で行われたのか、については会社の発表する報告書をご覧になるのが一番ですが、一つの工事について原価として計上しなければならない費用をそのまま計上すると赤字になるため、別の収益の上がっている工事の原価に振り替えていた、という行為が数箇所の 支店で行われていたとのこと。

 

そのため、会社全体の売上と仕入れ金額について極端な違いはなく、会社の業績をよく見せるために経営者の主導で不適切会計が行われたのではありません。

 

各支店が受注した工事案件ごとの管理体制や報告方法が旧態然としていたことが不適切な会計につながったようです。

 

現場で一連の作業に携わった社員は 、恐らく事の重大性に気が付かず、日常的な処理として行っていたのではないでしょうか。

 

今回の報告書では社員の意識や教育もさることながら、会社の報告形態、社員の評価方法などにも問題があった、とあります。

 

私の印象は、プロセスや社員の評価手法が右肩上りの拡大経済時代に構築されたものをそのまま利用しているように感じました。

 

仮に、経理システムやコンピューターを最新の製品にしても、実務に見合わない運用システムであれば、しわ寄せは社員に 来ます。

 

経営者が企業を取り巻く環境の変化に対応しても、社員の負荷に対応が出来ず、歪が生じて不祥事に至るけースが社歴の古い企業に散見されます。

 

何回か前のブログに書いた、中部地区の機械販売会社の売り上げ水増し問題も、同じような背景でした。

 

中小企業の決算書を使って企業を観察する時には、経営環境の変化に対して、または会社の成長に合わて社内管理体制が構築出来ているか、いないかを観察しながら数値を見ると、単なる財務分析値からは得られなかった姿が浮び上ってくることがあります。

 

不適切な会計処理に関する調査結果について

https://www.denkikogyo.co.jp/ir/ir/pdf/2019/20190607_release01.pdf

 

 

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