経営未経験の若手社長が黒字会社に就任して行ったこと

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経営未経験の若手社長が黒字会社に就任して行ったこと

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2019/06/05 経営未経験の若手社長が黒字会社に就任して行ったこと

 

しなの鉄道の社長が退任する、という記事が昨日の日経新聞長野版に載っていました。

鉄道とは無縁の、損害保険会社から出向してきた40代の社長です。

鉄道は全くの素人、経営の経験もなかった彼がしたことは何だったのでしょうか。

 

1996年の設立から赤字が続き、5年目には債務超過に陥った第三セクターでしたが、公的支援と業務の見直しで就任の前年には最高益を更新していたそうです。

 

新社長が沿線の市町に挨拶に行くと「連続の黒字で好調ですね」としか言われず、社員も黒字を更新していることで安心感が漂っていたようです。

 

記事には書いてありませんが、 若い社長に対して関係者が冷ややかに接していたことが想像できます。

 

損害保険会社では中小企業向けの業務災害 保障プランを開発し、実績を上げていたことから 、中小企業の経営について詳しかったことが、鍵でした。

 

彼がしたことは、会社数字の精査です。

 

決算書に記載された数字と、将来発生する費用を計算し、今取り組むことを明確に数値化して、方向性を打ち出したのです。

 

就任当時の税引き後利益は3.17億円。利益剰余金は9.2億円ありました。

 

しかし、JR から引き継いだ車両の更新費用、少子高齢による運賃収入減、上昇する人件費などを計算すると、車両入れ替え時には収支バランスの崩れは10億円に達することが分かったそうです。

 

将来にわたって安定的な経営を行うために、利益を上げる道筋を作らなければなりません。

 

そのために次にしたことは、社員と、沿線市町と課題を共有することでした。

 

社員全員と面談し、危機感を共有したことで、社員は業務改善の工夫をするようになりました。

地域の祭りやイベントに顔を出し、首長や沿線の企業経営者と話し込み、関係性を高めました。

 

「輸送手段としてしか見ていなかったしなの鉄道を初めて相談相手として思えるようになった。」とある沿線の市長が言うまでになりました。

 

社員の意識を変え、地元関係者との関係性を深め、将来への道筋を作った社長は、6月の株主総会で職を退き、出身会社の上海の現地法人に赴任することが決まっているそうです。

現在48歳、これからも益々の活躍を期待します。

 

 

決算書の内容を理解しないまま、当期利益や純資産の増加を見てるだけでは順風満帆な会社と思われ、安穏としてしまいます。

 

決算書の内容を把握し、対象企業とそれを取り巻く環境がどのように変わるのかを冷静に俯瞰で観察すると、 経営者の行動や会社の動きが見えてくるようになります。

 

財務分析数値や対前年比率の良し悪しだけを論じていては企業の実情を把握することはできないでしょう。

 

決算書を読み活用するスキルが大切だと改めて思った記事でした。

 

 

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