前代未聞

金融商品取引法違反で自動車会社の大物経営者が逮捕されました。

私の勉強会に参加された方は「有価証券報告書に嘘をかいたな！？」とすぐに分かった方が多かったと思います。

真面目に働いている社員や、コストカットに応じてきた取引先の経営者の皆様は５０億円とも１００億円とも言われている隠し報酬の金額に憤懣やるかたない思いでいると拝察いたします。

過去に問題となった上場企業の有価証券報告書の虚偽記載の目的は「業績・株価維持」、「業績悪化させた社長と思われたくない」、「院政への影響力低下を危惧」などの理由でしたが、今回は報酬の過小申告という実に情けない前代未聞の醜聞です。

日本の上場企業TOPの給与体系と海外のTOPの給与体系に開きがあり、海外基準を日本の会社に適用すると「高額すぎる。」と言われることを危惧したのでしょうか。

雇用体系が海外と日本とでは異なるため、海外と日本の企業のTOPの給与体系を同じテーブルで比較することは出来ない思いますが、彼らにとって日本の給与体系は低すぎたのですね。

いずれにしても、従業員や関係する企業へ生産低下、工場閉鎖、などの悪影響が出ないことを祈ります。

ところで、速報が入った直後の民放テレビ局のベテランアナウンサーが

「金融商品取引違反容疑とのことですが、どのような金融商品なのか、まだわかりません。」

とか言っていたので、噴き出してしまいました。

ここ何年も数多くの上場企業の粉飾絡みで、金融商品取引法は耳にしているはずなので、一般人ならともかく、アナウンサーとしてはちょっと恥ずかしい発言でした。