循環取引で6年間で160億円 13億円を詐欺の疑いで逮捕

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循環取引で6年間で160億円 13億円を詐欺の疑いで逮捕

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2020/01/17 循環取引で6年間で160億円 13億円を詐欺の疑いで逮捕

 

1月16日の日本経済新聞の夕刊に、昭和電工のグループ会社から13億円のお金を騙し取ったとして、研磨剤の販売会社の経営者と経理担当者が逮捕された、との記事がありました。

 

内部監査で発見したという記事もあれば、合併により発覚したという記事もあり真相はまだわかりません。

 

循環取引とは、 A社の売ったものが数社を経てA社が買い戻す形です。

 

A社が B社に商品 αの売上を計上する。

 B 社は利益を乗せてC社にαの売上を計上する。
C社は利益を乗せてD社にαの売上を計上する。

A社はD社からαを買う。

 

品物は動かずに伝票だけの取引きです。

 

実際にはもっと複雑な仕組みが間に入りますが、それを書くと粉飾のやり方を公開することになるので勘弁してください。

 

過去に数多くの企業が手を染め、無くなった企業も多数あります。

加ト吉グループ、NEC子会社、カネボウ、ニイウスコー、IXI,等々会社ぐるみ、部門ぐるみ、担当者の暴走(トカゲのしっぽ切りかも)・・など枚挙にいとまがありません。

 

最終的にA社が買い戻すのですが、なぜこのような事をするのでしょうか。

上場企業のA社にとっては、売上が上がり対外的に成長企業を装えます(対銀行では無く株式市場や厳しいノルマ)。

 

非上場企業のA社は、買い戻すまでキャッシュが増え、資金繰りが楽になります(この仕組みはとても複雑)。

 

B、C社は売上が上がります(利益率は悪くなります)。

 

 

決算書の処理としては、通常の売上、通常の売掛、通常の買掛となり、販売原価も計上するため在庫の異常もわかりません。

 

一般的な財務分析だけで外部の人達が循環取引を見抜くのは難しいですが、売掛サイト、在庫金額、等をあるポイントを見逃さずに前期、前々期と比較すると、見えなかったものが見えてきます。

 

自社の内部監査の場合は、勘定科目明細書のいくつかをチェックすると異常が判明します。

 

「〇〇案件」というのも、精査すると化けの皮が剥がれますね(〇〇は、セミナーに参加された皆様にだけ希望者にお伝えしています)。

 

組織ぐるみでやられると外部からは発覚し辛いのですが、A社が買い戻しのお金が支払えないと、このスキームは破綻するのでそこで終了となります。

 

融通手形と違うのは、資金が回る限り、ばれなければ続けられることです。

 

このため、このような形態の取引きを行う企業は多いです。

 

また、バーター取引も多いのですが、これと循環取引を組み合わせて複雑化して売上や利益を操作する会社もあります(これも粉飾のやり方を公開することになるので書けません)。

 

ベンチャー企業も大企業も、いろいろな形で法律ギリギリ、微妙なグレーゾーンでこれらのスキームを駆使して業績を良く見せようとしています。

 

財務分析のベンチャー企業でヘラクレスに上場、乗っ取られて転職して東証1部企業で勤務し、数多くの経営の現場を見て来た私が言うのだから間違いありません(笑)。笑いごとではないですが。

 

なんだか、粉飾よもやま話になりかけてしまいました。

危ない危ない。

 

では良い週末をお過ごしください。

 

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