残念な経済評論を読みました 内部留保は現金ではないのに・・・

株式会社プロフィークイス

045-438-2373

営業時間 9:00~18:00

ブログ

残念な経済評論を読みました 内部留保は現金ではないのに・・・

生き残る会社消える会社ブログ

2019/11/25 残念な経済評論を読みました 内部留保は現金ではないのに・・・

 

 

大手の情報系企業が運営するビジネスサイトに、「内部留保」をためこむ理由・・保身に走る経営者たち という表題で、経済評論家の記事が出ていました。

 

*会社が儲かった分を賃上げに回さずに、社内に溜めこんだ内部留保の増加が止まらない

*内部留保課税を再検討する動きがある

*内部留保をどうやって吐き出させ(設備投資に使わせ)経済成長につなげるか・・・・

*モノ言う株主が正しく機能すれば内部留保を積み上げる経営は姿を消して行くはず

 

内部留保をため込む、という表現が“経営者は悪者だ”というような第一印象を与えます。

 

記事は支離滅裂で、内部留保の意味を知らない読者をミスリードする、非常に残念なものです。

 

財務省の法人企業統計調査のデータ等を用いて、一見正論のように書かれていながら矛盾と錯誤?に満ちた内容なので、興味があるかたは検索して読んで下さい。

 

内部留保について簡単に説明しましょう。

 

内部留保は、一年間の企業活動の儲けの中で、外部に支出しなかった価値、翌年以降も利用できる価値、と言えます。

 

決算書の何処に書かれているかというと、「貸借対照表」の純資産を表示する欄に、資本金とは別に「利益剰余金」として表示されます。「繰越利益」と言ったりもします。

 

企業活動により生れた利益から、地方税や法人税など、必要な税金を差し引いた後の金額なので、損益計算書には「税引き後利」と表示されます。

 

仮に1億円の資本金の会社が、毎年2千万円の利益剰余金を計上し続け、10年後に合計金額が2億円になったとすると、1億円+2億円=3億円の自己資本となります。

 

資産構成を考慮する必要がありますが、毎年利益を生む企業は安定した成長企業であり、自己資本も増加するため、経営基盤が強固になり、従業員にとっても望ましいことです。

 

逆に、利益剰余金が出ない経営は、儲かっていないか、節税に情熱を傾けているか、利益がマイナス=赤字、になっている、のいずれかと言えます。

 

利益剰余金=内部留保、が増えることは健全経営の証です。

 

そして、ここからが大切なのですが、利益剰余金として貸借対照表に計上されている数字は、100%現預金で存在するものではありません(理屈では考えられますが、現実はあり得ない)。

 

貸借対照表は、バランスシートと言われるくらいですから、表の右側の純資産が増えれば、表の左側の資産の部の何かが、その金額分だけ増えていなければなりません。

 

一般的には、会社の成長にともない、固定資産と言われる、土地、建物、製造設備や、流動資産と言われる、在庫や売掛金、運転資金としての現預金などが増えます。

 

内部留保は増えた価値を金額表示しているだけで、現金額ではないのです。

 

本日は以上です

 

メルマガ

「プロフィークイス経営情報ブリッジ」を発信しています。
経営者と支援者の士業の皆さまに、最新の動向と実務に役立つ
ヒントを分かり易くお伝えしています。

宜しければ以下URからご登録下さい。

https://mail.os7.biz/add/Vc3W

 

経済産業省 認定経営革新等支援機関
株式会社プロフィークイス
TEL   045-438-2373
FAX.  045-438-2374
営業日 9:00~18:00(土日祝定休)

TOP